痣だらけの日々

 

身体のどこかに痣(あざ)がある人は、意外と多い。

顔だったりお腹だったり足だったり、「前世で受けた傷」なんて迷信もあって、憚らず言えば格好いいとさえ思う。眼帯とかと同じ感覚かもしれない。

コンプレックスに思う人が多いのも理解している。そんな人にはなんて声を掛けたらいいんだろう? 全然気にしないよ? 格好いいね? それも本当の事なんだけど、なんか違うよな〜。

別に何にも言わなくていいな。好きで痣があるわけじゃないんだし、隠したいなら隠せばいい。無理に"個性"だとか言って晒さなくてもいい。爪の形や脚の長さみたいなものだ。自分のことなんて好きになったり、嫌いになったりしながら受け入れていくものだろう。

 

こういう話をすると刺青(タトゥー)に興味が出てくるな。なんとなく似ているものを感じる。

「タトゥ〜!?」とか思う人もいるかもしれないが、世の中には色んなものがある。

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こんなのとか。足先にちょこっと入れて、親しい人だけ見れるようにしたらいい。

痣にもそういう「秘匿性」を感じる。触れたくなる魅力がある。

正確には、痣に触れられる距離の関係性というのが一番良いのだと思う。

 

これ、性癖なんですか? 分かんないな。確かに昔から人の痣とか傷とか好きだけど、だからどうということはない。これは自分に無いから言えるのかもしれないが、そんなのあってもなくてもいい。

ただなんとなく、自分の身体は好きでいてほしいな。隠したっていいのだ。タトゥーを入れたり髪を染めたりしてもいい。誇らなくてもいいし嫌わなくてもいい。そのままで居られる受け皿が、残念ながら世の中にはとても少ないのだけど。

自分に痣があったらどう感じていただろう。分からないけど、何も不安じゃなければいいな。

みんながそうやって目に見えない痣を、想像して生きていたらいい。