悪口と主人公

 

?「へ〜へっへ、お前を傷付けてやるぜ〜!」

 

 

ひとの悪口を言うやつの気が知れない。

悪口とは「悪意を持って人を傷つけるための言葉」だと認識している。単純に悪い箇所を指摘したり、自己防衛として愚痴を言うこととは根本的に別物だろう。

陰口だって叱責だって、自分に非があるなら甘んじて受け入れたい。罪と罰だ。

しかし、悪意とはいつも理由も何もない所から生まれてくる。

 

どうして悪口を言うんだろう。どうして他人を馬鹿に出来るんだろう。もしかしてめちゃくちゃ楽しいんだろうか。

こういう話をするとすぐに「あいつらは馬鹿だから」と応酬する人がいるが、それも悪口だから。決めつけはよくない。彼らには彼らの悪口を言わなければならなかった理由があるのだ。

同情しろというわけではなく、ただ正しく認識し、正しく軽蔑しなければならない。わざわざ同じステェジに立つことはないのだ。

悪口、なんて漢字からして禁忌なのが分かる。きっとどこかで悪いことなんだって気付いたはずなのに。彼らは自分が悪者だって気付いてないんだろうか? もしかして、正義の名の下に他人を傷付けている?

一人一人が人生の主人公なのにね。こんな主人公は嫌だ。大喜利か?

ルフィが、ナルトが、一護が、ケンシロウが、ジョジョが、悟空が、ゴンが、弱いものいじめをしていたか? 少女漫画の王子様が後輩をいびってみんなに嫌われていたか?

どうしてみんな憧れたはずの主人公じゃなくて、敵になっちゃったんだよ。なにを間違ったんだ。分からない。

そう、分からないからなんだろうな。向こうも主人公の気持ちなんて分からないのだ。人は理解のできないものを排除したがる生き物だから。

 

暴言は暴言では絶対に解決しない。

優しさって理性だ。本能は暴力的だから。子供に棒をもたせると、必ず何かを叩きたがる。

大事にしよう、優しさとか、愛とか、信頼とか誠実さとか。ここまで生きてきて得たもの全部。動物じゃないんだよ、僕らは。

主人公になるんだ。いつか見た物語の、あの主人公に。