比喩りたい!

 

日本語って使わないとどんどん忘れていく。ただでさえ小説の中でしか使われない様な小難しい言葉が多いのに(その"無駄"が美しいのだが)、いよいよ小学生向けの教材みたいな凡庸で平易な言葉しか浮かばなくなる。

語彙もそうだけど、日本語には特に多彩な表現方法があって、意識しないと「比喩」なんてものは全く出てこない。

ブログでもどんな文章でも、比喩はあったほうが必ず面白い。比喩のない文章を読むなんて、オアシスのない砂漠を歩くようなものだ。

比喩は飛躍だ。一見まったく接点のないものが繋がることで世界が一気に広くなる。文章に翼を与えてくれる。

村上春樹なんかがその手の文章が上手らしい。生憎文体が苦手で読んだことがないが、それも昔のことなので、子供がいつのまにかピーマンを克服するように村上春樹も読めたりするのだろうか。ピーマンなんかに例えて本当に申し訳ないです。

 

「面白い文章」と「自分が書いて楽しい文章」とはノットイコールとよく言われる。

技術や教養、思考、その積み重ねが読んで面白い文章を作るのだろう。才能をカバーするに余りあるテクが、日本語には散りばめられているのだ。

私は何にも考えず手癖で文章を綴る方が性に合っているのだが、そういうわけにもいかない。仮にもブログとして全国公開されているのだ。学ばなくてはならない、先人の遺してきたものに。

 

だからブログを書こう、壮大な物語が最初の一行から始まるように。あるいは乙女が秘密の日記をしたためるように。

大げさなくらいでいい。寒く厳しい季節に色彩を与えるつもりで書く。花は、根気よく育ててやらないと咲かないのだから。